[インタビュー]集団塾がよいか個別指導塾での仕事がよいか

2000年に早稲田大学教育学部英文学科を卒業しました。

元々高校時代の担任だった英語教師に憧れ、同じ大学を志したこともあって、大学の途中までは高校教師になることを夢にしていました。
学生時代には大学2年から4年まで個別指導塾や集団塾の講師をしており、主に中学生・高校生の文系科目(英語・国語)を中心に指導していました。
その後一般企業に就職したのですが、2年後に結婚を機に退職。
結婚してからは主婦をしながら子供が生まれるまでの4年間、近所の公立中学生を中心とした静岡の中学受験対策の家庭教師と個別指導塾の講師を兼任していました。
大学生の頃から20代後半までのおよそ10年間を塾や家庭教師関係のアルバイトで過ごしたことになります。

集団塾と個別指導塾では教え方がまるっきり違います。

仮に同じテキストを使用するにしても集団塾の場合はテキストの内容を一つ一つ丁寧に教え、場合によっては重要項目をピックアップしますが、基本同じペースで進めていくようなやり方です。

その授業で進めなくてはならない範囲もある程度塾側から課されますし、それをしっかりと生徒に教えることがノルマとなります。
それに対し個別指導塾はあくまでその生徒のペースに合わせてテキストも進めます。
テキスト内でつまづいてしまった場合は、その部分を時間をかけて理解できるまで教えていきますし、ある程度の進度スケジュールはあっても、あくまで生徒の理解度に合わせて進めていきます。
またその生徒に合ったオリジナル教材などを作ってサポートすることもあり、仕事のボリュームとしては集団塾よりも多い印象です。

家庭教師と個別指導塾の仕事の違いはプライベートの介入度が大きく違っていると思います。

個別指導塾は個別とはいえ基本塾内で教えるスタンスは集団塾に近いものがあります。
そのため授業曜日や時間はきっちり決まっていますし、その日教える科目も決まっています。
また個別とは言え、私の教えていた塾では完全1対1というよりも2対1のスタイルになることが殆どでした。
親御さんの介入も間に室長が入ってくれるので、私自身はあまりありませんでした。
それに対して家庭教師はその日教える科目は基本的には決まっているものの、生徒主体で教えて欲しいとリクエストに従って教えていきます。
テキスト等も私自身がその生徒のレベルや弱点を見ながらチョイスしました。

生徒はもとより親御さんとの関係もより密になり、成績のアップダウンで個別指導塾よりも親御さん・生徒と一緒に一喜一憂しました。
授業曜日や時間は決まっているものの、月に1回程度は生徒の都合で変更を余儀なくされることもありましたし、時間内に終わらなかった場合時間超過で教えることも多々ありました。

家庭教師のアルバイトに向いている人は、生徒とも親御さんとも上手くやっていけるコミュニケーション能力の高い人で、その生徒が志望校に合格できるまで長期間でも仕事を継続できる自信と責任感のある人です。

家庭教師は塾の講師と比べると、生徒一人一人のプライベートな部分にも関わることが多い仕事です。
そのためただ単に勉強を教えるだけでなく、その生徒の心の面までのサポートが必要になることも多々あります。
生徒のやる気がなかったり、成績が下がって落ち込んだりしている時には、その気持ちを立て直してあげる責任もありますし、一緒に生徒の目標達成まで二人三脚で頑張っていくというスタンスでの指導になります。
また親御さんとの距離も親密になるので、親御さんとの関係も良好な状態を継続しなければなりません。

塾のアルバイトは将来教師を志すタイプの方には非常に勉強になる職場です。
複数の生徒を前に教えるので、一語一句に責任がありますし、教える内容を超えてある程度どんな質問にも答えられるように、事前の準備が大いに必要になります。
また授業を良いものにするためにも、生徒と教師でありながらも、生徒一人一人との信頼関係が重要ですし、円滑なコミュニケーションを図る必要があります。
そのために、教える生徒たちが興味を示すような話題や流行などの事前調査も必要でしょう。
塾のアルバイトは多くの生徒を前にしても奥することなく自分のペースで仕事ができる人、自分の授業に責任を持ちしっかりとした事前準備ができる人、生徒一人一人の目標達成のために支えとなりたいと強い意識も大切です。